成長期にあわせた
小児矯正
歯並びは顎関節への負担や、発音、滑舌、歯磨きのしやすさなどさまざま影響があります。特に歯並びが悪くなる主な原因として、歯を収めるための顎が小さいことが考えられます。歯がきちんと並んで生えることが出来ず、乱ぐい歯(叢生)や八重歯になってしまいます。
こどもの場合は大人に比べて歯並びの変化のタイミングは頻繁にあります。歯並びが変化しつつあるときに少し治療を行えば、
顎の成長する力で比較的早く治療を済ませることが出来ます。
顎の成長を利用した床矯正治療
床矯正治療はプレート(義歯のような装置)を入れて顎を拡大し、歯が並ぶスペースを確保する方法です。小児期の顎の成長を利用することで、成人矯正を検討する時期に、抜歯をせずに済む可能性が高まります。 床矯正装置は患者様ご自身で取り外せますので、学校が終わってから装着し、食事の際に取り外し、就寝前に装着、ということも可能です。
治療中は1日12~15時間くらい、お口の中に入れておきます。プレートについているスクリューで顎を拡大していき、徐々に永久歯の生えるスペースを確保していきます。開始年齢は5~7才くらいが最適ですが、10才を過ぎると顎の拡大が難しくなり、通常の矯正治療を行う場合もあります。
注)装置を入れる時間を守らなかったり、正しい使用法でなかったりすると効果的な治療は出来ません。
床矯正装置の種類
平行タイプ
最も一般的な、横に拡げるタイプの装置です。奥歯や前歯も横に拡げることで、歯が並べられる箇所を確保します。下顎は舌があるため、少し小さめなタイプです。
ファンタイプ
前歯のみ扇状に拡げるタイプの装置です。奥歯の噛み合わせは変わりません。歯の動きがほかの装置よりも早くなっています。ネジを回す際には頻度に留意が必要です。
前方タイプ
前歯を前に出すタイプです。動かす歯が少ない場合は基本より早いペースで進めることもできます。
後方タイプ
奥歯を後ろに動かすタイプです。ネジの位置や巻き方によって、片側だけを動かしたり、両側を動かしたりできます。
斜面板タイプ
下顎を前方に出すタイプです。下顎が後退している場合に適応します。
閉鎖板タイプ
外側のワイヤーと内側のバネの力で前歯を整えるタイプです。歯が安定しないうちは、長時間入れておくようにしましょう。