インプラント
Implantインプラント
Implant-
インプラント治療とは、歯を失った際に、人工歯根であるインプラント体を骨と結合させ、その上に人工の歯を固定する治療法です。入れ歯やブリッジとは異なり、天然歯のような構造をしている点が大きな特徴です。
インプラントは顎骨に固定することで自立します。残っている歯を頼る部分入れ歯やブリッジとは違い、天然歯に負担をかけるようなことがありません。また、顎骨にも刺激が加わって痩せるのを防ぐ効果もあります。
天然歯のような感覚で強く噛めて見た目も自然になるなど、歯が本来もっている機能を再現できます。ただし、保険が適用されない、治療期間が長いなどのデメリットもあるため、治療の性質をよく理解することから始めましょう。
インプラント・ブリッジ・入れ歯の違い
表を横にスクロールしてご覧ください。
入れ歯 |
ブリッジ |
インプラント |
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噛む力 |
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耐久性 |
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お手入れ |
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審美性 |
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天然歯への負担 |
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料金 |
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当院のインプラント治療の特長
信頼関係による高い成功率・保存率
インプラント治療で患者さまにご提供したいのは「治療の成功」です。当たり前に聞こえるかもしれませんが、手術を含む治療になるので「確実性のある治療」へたどり着くのは簡単ではありません。西村歯科では患者さまと信頼関係を築くことに力を入れ、治療内容をご理解いただけるように努めています。その積み重ねが、インプラント治療の成功に結びついています。
ストローマン社製の
インプラントの採用
当院では、スイスのストローマン社が製造しているインプラントを使用しています。ストローマン社のインプラントは1回の手術で埋入できるので、患者さまの治療による負担を軽減できます。また、インプラント体の表面を「SLA」という性状にするなど独自に加工しており、顎骨と結合するための治癒期間が短くなるとされています。
CTによる立体的な画像診断で
より安全な治療へ
手術時のリスクを軽減できるように、CTを使い血管や神経の位置、そして骨の厚みなどを詳しく検査します。CTはお口の中を立体的な画像で再現できる装置で、インプラント体を埋入する角度や位置を決定するのに欠かせなくなっています。歯科医師は技術や知識も必要ですが、精密な検査によるデータも重要な情報のひとつになっています。
静脈内鎮静法で負担を軽減
治療に対して強い恐怖を感じる方には、治療中に落ち着けるように鎮静剤を注入する方法を検討できます。点滴によって静脈に鎮静剤を投与すると、数分後にはウトウトします。意識は残しながら、不安や緊張が和らいだ状態で治療を受けられます。このとき、生体モニターによって血圧や脈拍を管理するので、安心して治療を受けられます。
徹底した滅菌体制で安心
インプラント治療の手術でとくに注意しているのが、外部からの細菌感染です。器具は滅菌したものだけを使用し、1回使うごとに廃棄できるものはディスポーザブルの製品を採用しています。複雑な形状をしている器具についても隅々まで殺菌しており、感染源となり得る箇所を清潔な状態にしています。
安心のインプラント10年保証
インプラントを長く安心してお使いいただくために、10年保証を原則としています。治療が終わってから保証期間までにインプラント周囲炎にかかり、インプラントを撤去する状態になった場合、再手術を保証します。また、上部構造に問題が生じた場合も対応します。ただし、保証を受けるには定期的にメンテナンスを受けているなどの条件があります。
インプラントを
埋入する骨量が
足りない方へ
(骨造成治療)
Bone
インプラントを埋入するには、ある程度の骨の幅や高さなどが必要です。しかし、歯周病などにより骨が吸収されていると、インプラントを埋入しても突き出てしまう可能性があります。そこで検討するのが、不足している骨を増やす骨造成治療です。残っている骨の量や患部の位置などにより、適切な治療方法を選択します。
骨造成治療の種類
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GBR(骨誘導再生法)
GBRは「Guided Bone Regeneration」の略称で、骨の再生を誘導する治療です。骨の幅がわずかに足りないケースに適用します。骨が不足しているところに自家骨などを入れて、人工膜で覆います。これにより、骨にならない繊維芽細胞の増殖を防ぎ、骨芽細胞の増殖を促進します。治療と同時にインプラントを埋入することがあります。
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ソケットリフト法(上顎洞底拳上術)
歯の周囲には上顎洞という空洞があります。そのため、骨が薄いと上顎にインプラントを埋入したときに上顎洞へ突き出てしまうおそれがあります。そこで、骨がある程度残っているケースに適用するのがソケットリフト法です。インプラントを埋入する穴から自家骨などを入れて、骨の再生を促しながらインプラントを結合させます。
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サイナスリフト法(上顎洞底拳上術)
ソケットリフト法と同様に、上顎洞にインプラントが突き出ないように骨を再生させる治療です。ただし、サイナスリフト法は骨がとても薄いケースに適用します。頬側の歯肉を切開して骨を取り除き、シュナイダー膜という組織を剥がして自家骨などを入れていきます。ソケットリフト法に比べると手術による負荷が大きくなります。
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スプリットクレスト法(歯槽堤分割術)
高さは足りているものの、幅が薄い骨に対して適用します(3mmほどの骨幅が必要)。骨を縦に分割してできた隙間に、インプラントを埋入します。骨とインプラントの間にできた隙間は骨補填材などで満たし、骨の再生とインプラントの結合を待ちます。インプラントが患者さまご自身の骨で囲まれるので、安定しやすくなります。
インプラント治療の流れ
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STEP
01
ご相談
歯のお悩みや治療に対するご希望についてお伺いし、お口の中を拝見します。検査を行ない、ご希望される場合はレントゲン撮影をして治療にかかる大まかな費用や治療期間、治療方法などについてお話しします。
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STEP
02
検査
より具体的な精密検査を行ない、全身の健康状態についても調べます。お口の中の型取りをして骨の量や質などの情報を取得し、レントゲン撮影を行ないます。さらに、手術時のリスクを軽減するために神経や血管の位置をCT撮影によって調べます。こうしたデータを詳しく分析して治療計画を立案します。
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STEP
03
インプラント体の埋入と治癒
インプラントを埋入するための手術を行ないます。局部麻酔で痛みを抑え、歯肉を切開して顎骨に穴を開けます。インプラントを計画どおりの角度、位置で埋入して歯肉を縫合します。その後は治癒期間を設けて、骨とインプラントが結合するのを待ちます。
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STEP
04
アバットメント(支台)の装着
インプラントと骨が結合したら再び歯肉を切開し、患者さまに適したデザインのアバットメントを装着します。
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STEP
05
人工歯の装着
型取りしたデータをもとに、上部構造(人工歯)を製作します。アバットメントに適合するとともに、天然歯の色や形に調和するように調整します。上部構造はさまざまな材質から選べますが、患者さまの歯に合う種類を選びます。
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STEP
06
治療後の歯磨きと定期検診
埋入したインプラントは、ご自身の歯と同じように丁寧に磨いてください。歯ブラシは柔らかいものを使い、適切な時期ごとに交換して磨きましょう。また、定期的に通院していただき、健診やクリーニングなどのメンテナンスを受けていただきます。
インプラントの
メンテナンスについて
Maintenance
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インプラントを埋入したあとは、日々のケアがとても重要になります。ケアを怠ると歯垢が周囲組織に溜まっていき、インプラントを支えている骨に炎症が広がります。治療せずにいると骨が吸収され、インプラントが脱落する可能性もあります。こうした症状をインプラント周囲炎といいます。
インプラント周囲炎は、初期の段階であれば歯磨きや歯科医院でのクリーニングによって歯垢や歯石を除去できて、炎症が拡大するのを抑えられます。しかし、重度の炎症になると治療が難しくなっていきます。
定期的にメンテナンスを受けていただき、お口の中を検査してください。インプラント周囲炎の早期発見・早期治療につなげられます。
リスク・副作用
インプラント治療にともなう一般的なリスク・副作用
- 機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
- インプラントの埋入にともない、外科手術が必要となります。
- 高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
- 手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
- 手術後、歯肉・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
- 手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気などの副作用が現れることがあります。
- 手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
- インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯肉の状態、噛み合わせ、歯磨きの技術、メンテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
- 毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯肉の腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。
CTを用いた検査にともなう一般的なリスク・副作用
- コンピューターを駆使してデータ処理と画像の再構成を行ない、断層写真を得る機器となります。
- 治療内容によっては保険診療となることもありますが、基本的には自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。詳細は歯科医師にご確認ください。
- 検査中はできるだけ顎を動かさないようにする必要があります。
- 人体に影響しない程度の、ごくわずかな被ばくがあります。
- ペースメーカーを使われている方、体内に取り外せない金属類がある方、妊娠中または妊娠の可能性のある方は検査を受けられないことがあります。
麻酔薬の使用にともなう一般的なリスク・副作用
- 歯肉に塗布する表面麻酔や、一般的な歯科治療で歯肉に注入する浸潤麻酔は保険診療となります。インプラントによる治療などの自費診療(保険適用外)で笑気吸入鎮静法、静脈内鎮静法、全身麻酔を行なう場合は自費診療となり、保険診療よりも高額になります。保険診療となった場合も、高額になることがあります。これらの麻酔法を保険診療で行なうには治療内容など条件がありますので、詳細は歯科医師にご確認ください。
- 表面麻酔薬の使用により、じんましんやむくみなどを発症することがあります。
- 浸潤麻酔の使用により、アドレナリンの影響で血圧上昇や動悸などを発症することがあります。高血圧症や心臓疾患のある方は注意が必要なので、事前にお申し出ください。
- 笑気吸入鎮静法の実施により、ごくまれに効果が切れたあとの吐き気や嘔吐、末梢神経障害が現れることがあります。
- 静脈内鎮静法の実施により、薬剤による影響や全身疾患との関連から重篤な副作用を引き起こすことがあります。持病のある方は注意が必要なので、事前にお申し出ください。
- 全身麻酔により、吐き気や嘔吐、肺炎、アナフィラキシーショック、悪性高熱症などを発症することがあります。また、誤嚥性肺炎を起こすことがあるため、治療前日24時以降は絶食いただいています。
- そのほか、麻酔薬の影響ではなく緊張状態や麻酔注射時の疼痛により起こる脳貧血により、悪心、吐き気、手足の震え・痺れが起こることがあります。
- 麻酔効果が切れるまで口の中の粘膜や唇の感覚が麻痺しているため、唇を噛んだりやけどなどをしないよう、食事は避けてください。
- アルコールにより血流が良くなり、出血・腫れ・痛みが増してしまうことがあるため、飲酒は避けてください。
骨造成にともなう一般的なリスク・副作用
- 機能性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
- 外科手術が必要となります。
- 手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
- 治療後、骨がしっかりと作られるまで3~6ヵ月の治癒期間が必要です。
- 歯周病の方、心疾患や骨粗鬆症など内科的な疾患のある方は、骨造成治療が適さないことがあります。
- 口腔内の衛生状態の悪い方、顎骨が足りない方、免疫力や抵抗力が低下している方、歯周病発生リスクの高いとされる糖尿病の方、喫煙する方は、すぐに治療できないことがあります。
- 日常的に服薬しているお薬などが治療に影響することがあります。
- サイナスリフト・ソケットリフトの処置にあたり、上顎洞膜が破れる可能性があります。その場合、手術後に抗生剤を服用して感染を予防し、膜が自然に治癒するまで待ちます。
- 体の状態や細菌感染により、骨補填材と骨とが結合しない場合があります。この場合、原因を取り除き、ご希望があれば再治療を行ないます。
- 骨の成長途中であるお子さま(おおよそ18歳未満の方)、妊娠中の方は治療が受けられません。