歯科コラム

Column

虫歯を放置していると…

毎日の歯ブラシやデンタルフロスで歯磨きをし、ケアをがんばっていても虫歯は完全に防ぐことは難しい感染症です。しかし、できるだけ虫歯を早期に発見して早期に治療に取り組むことが、お口だけでなく身体の健康にとっても大切という事実をご存知でしょうか?

虫歯には「C0」と呼ばれる初期段階から「C4」の最終段階までの5段階がありますが、患者さんが痛みを感じるのは、虫歯が歯のエナメル質を越えて象牙質を侵食してしまう「C2」と呼ばれる第3ステージに近づいた頃に、冷たい飲食物がしみる、甘いものがしみる、なんだか違和感があるといった自覚症状があらわれてくるのが、ちょうどこの時期です。

このタイミングで歯科医院に行き、虫歯を発見・処置できればよいのですが、時には、自覚できるほどの痛みがなくなったりすることもありますし、学校や仕事が忙しくてなかなか通院の時間が取れなかったりということもありますよね。

しかし、残念ながら、自覚する痛みがなくなったからといって虫歯が治ったということではありません。最終段階に近づくにつれ、痛みを感じる神経が機能しなくなることで痛みを感じなくなっています。症状はどんどん進行し、虫歯菌が歯の根っこにある神経に到達すると、虫歯菌のつくる毒素などにより歯髄炎が引き起こされます。さらにそのまま放置してしまうと、歯髄壊死や歯髄壊疽などに進行することも。また、虫歯菌が顎の骨などへ進行すると骨の感染症の骨髄炎を引き起こしていまいますし、放置してしまった虫歯菌や歯周病菌が脳梗塞や心筋梗塞などの原因となってしまうケースもあります。

とくに、「虫歯かな?」と感じる自覚症状があったときは、早め早めの対応が大切です。人生100年時代といわれる現代は、いかに自分の歯と向き合っていくかも大切なこととなりますので、どんなに忙しくても時間を見つけて歯科医院を受診する、半年か1年に1回は定期検診に行くなど、まずはできることから歯の健康と身体の健康づくりに取り組まれてはいかがでしょう。

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