歯科コラム

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歯周病の治療方法について

歯周病は、歯周病菌により歯と歯茎の間に炎症が起こる疾患です。進行すると歯を支える歯槽骨が溶け、歯の揺れや喪失につながります。

本コラムでは、歯科医院での歯周病の治療方法について解説します。歯周病予防や歯周病と喫煙の関係も説明いたします。ぜひご参考にしてください。

歯周病の治療方法は?

歯周病の進行度によっても治療内容は異なりますが、一般的には問診後に検査、歯周基本治療、歯周外科治療、メンテナンスといった流れとなります。治療ごとに検査を行い、歯茎の状態や治療が適しているか確認しながら進めていきます。

1.問診
歯周病の自覚症状に加え、歯磨きの回数やかける時間、持病や喫煙習慣の有無などを確認します。
2.歯周病検査
歯周ポケットの深さをはかるプロービング検査や、歯槽骨の状態をみるレントゲン検査、歯を染色してプラークの付着量・付着箇所などを確認し、口腔状態を調べます。
3.歯周基本治療
歯石の除去やブラッシング指導を行い、普段の歯磨きの見直しや、歯茎の炎症改善につなげます。食いしばりのクセや被せ物がズレていないかなど、噛み合わせの確認も行います。
4.歯周外科治療
歯周基本治療を行っても深い歯周ポケットが残る場合は、外科治療が必要です。歯の動揺が進んでいると、抜歯を行うこともあります。
フラップ手術は、歯周ポケットが深い箇所の歯肉をはがして歯根が見えるようにすることで、歯石を取り除く手術です。歯周組織再生療法は、骨移植や歯周組織を成長させる因子により、溶けてしまった歯槽骨の再生を促します。
5.メンテナンス
歯茎の炎症が再発しないよう、定期的にメンテナンスを行います。デンタルケアを徹底し、歯科医師と相談しながら口内環境を維持しましょう。

歯周病の予防と喫煙

歯周病予防には、丁寧な歯磨き習慣と定期的な歯科健診が大切です。健診で正しい歯磨きの仕方や、歯垢が残りやすい箇所を確認し、普段の歯磨きに生かしましょう。

喫煙者は非喫煙者より歯周病の罹患リスクが高く、効果的な治療が難しくなります。また、喫煙によって歯石除去や外科処置などの治療効果も出にくくなるため、歯周病予防や治療には禁煙が大切です。さらに、たばこの成分が口の粘膜や歯茎から吸収されると、歯茎の血液循環を悪化させ、細菌が繁殖しやすい環境をつくります。加えて血行不良により、歯茎の出血や腫れなどの症状が現れにくいため、無自覚に歯周病に罹患している恐れがあります。

歯や歯茎の健康でお悩みの方は、お気軽に当院へご相談ください。患者さまの口腔状態に合わせた適切な歯周病予防・治療をご提案いたします。

Q1:歯周病の予防は何歳から必要ですか?
A1:歯周病の初期段階である歯肉炎は、子どもでも発症します。年齢とともに唾液量の減少や免疫力の低下が起こり、歯周病は増加する傾向にあります。若いうちから自分の歯にあった適切な歯磨きを実践し、定期的に歯科医院を受診しましょう。
Q2:歯周病と関連性の高い病気はありますか?
A2:糖尿病の方は歯周病が進行しやすいとされています。また、歯茎の炎症は血糖コントロールの悪化につながるため、歯周病と糖尿病は互いに悪影響を及ぼす疾患です。歯周病がある方は糖尿病以外にも、狭心症や脳梗塞、骨粗しょう症などさまざまな疾患にかかりやすいことが明らかになっています。
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