歯科コラム
Column歯周病は老化や美容と関係性がある?
歯周病は歯を失う原因の第一位です。自覚症状がほとんどないまま進行し、年齢が進んでから違和感を覚えることが多いため、老化現象の一つと感じる方もいます。
本コラムでは、歯周病と老化に関係性はあるのか、美容にどのように関係しているのかを解説します。歯周病で悩んでいる方はぜひご参考にしてください。
歯周病と老化は関係性があるのか
歯周病とは歯周ポケット内に歯周病原菌細菌が生まれることによって、歯を支えている歯茎や骨など、まわりの組織が破壊されていく病気です。歯そのものが破壊されていくむし歯に対し、歯周病は進行することによって歯茎の炎症を引き起こし、歯を支えている骨(歯槽骨)を溶かし、重度まで進行すると歯が抜け落ちてしまうのです。
歯周病は40歳以上の日本人の約8割が罹患しているといわれ、生活習慣病の一つに数えられています。健康な人であっても歯と歯茎の境目には3mmの深さの歯周ポケットと呼ばれる隙間が存在しますが、深さが4mm以上になると歯周病の範疇になります。この歯周ポケットが4mm以上ある方が高齢層になるほど多く、45歳以上では過半数を占めているのです。
結果的に、歯周病に罹患している方は40〜45歳以上の方が多く、老化が一因であるともいえます。
歯周病の改善と美容について
歯周病を改善するには、いくつか方法があります。
一つ目はセルフケアです。歯周病の原因である細菌性プラークを除去するプラークコントロールの基本は、毎日の歯磨きです。正しい歯磨きを歯科医院で教えてもらい歯周病の予防に努めましょう。
二つ目はプロフェッショナルケアです。歯周ポケットの深さを測定し、表面のプラークを徹底的に除去します。さらにスケーリングによって歯石を除去し、薬液で消毒します。定期的に行うことで、歯茎の炎症を抑え、歯周病の進行を止めることができます。
そして三つ目は歯肉再生手術です。重度の歯周病では、歯茎が痩せて歯が長く見えるといった症状を訴える方もいます。歯を支えている骨が歯周病原菌によって溶かされたことが原因ですが、外科的な処置により改善が可能です。歯茎が痩せている部分の上皮と骨膜の間に、口腔内の別の部分から採取した歯茎を移植する結合組織移植術や、痩せている歯茎を切開し、周囲の歯茎を引っ張って寄せる歯肉弁側方移動術などの方法があります。
歯周病の治療を行うことで見た目も良くなり、審美性の改善にもつながるでしょう。
- Q1:歯周病に痛みはありますか?
- A1:ありませんが、口臭など別の自覚症状があります。自分では気付きにくい症状が多いので、定期的な歯科医院での検診が大切です。
- Q2:歯周病は全身の疾患に関係していますか?
- A2:糖尿病や心疾患、認知症など多くの全身疾患と関係しています。また妊婦さんに関しては、歯周病が低体重児出産の原因になることが分かっています。
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