歯科コラム
Column口腔外科で顎関節症の治療を受けるなら
「口を開けると音が鳴る」「大きな口を開けづらい」このような症状にお悩みの方は、顎関節症の可能性があります。顎関節症はさまざまなきっかけで発症する病気です。嚙み合せや歯ぎしりから口に原因があるケースや、ストレスや生活習慣が影響するケースなどがあります。本コラムでは、顎関節症の具体的な治療法やセルフケアについて紹介しています。症状が気になる方は、歯科や口腔外科を受診して早めの治療を心がけましょう。
歯科医で可能な治療方法
顎関節症の症状が軽い場合は、歯科医院での治療や、生活習慣の見直しで改善できる可能性があります。歯科医院では、外科的治療ではなく、薬物治療や理学療法での治療を取り入れています。痛みや症状があるからといって、すぐに外科的処置を行うことはないため、あまり気負う必要はありません。
薬物療法は、痛みがある場合に行われ、鎮痛剤で辛い痛みを抑えます。また、理学療法では顎関節の動きを改善し、歯ぎしりを防止して症状の緩和を目指します。具体的に行われる治療は、開口訓練やマウスピースの装着です。さらに、噛み合わせを整え、顎関節にかかるストレスを減らす狙いから、歯列矯正が検討される場合もあります。
口腔外科が行う顎関節症の治療
歯科医での基本的な治療を継続しても改善が見られない場合や、重度の顎関節症と診断される場合には、口腔外科での治療を検討しましょう。
口腔外科では、まず「マイオモニター療法」と呼ばれる筋肉の電気マッサージや、温湿布による血行促進などの理学療法を試みます。関節円板の位置のズレが酷い場合には、局所麻酔を使用してズレを治す「パンピングマニュレーション」と呼ばれる治療を行うことも。さらに、関節円板が癒着し動かないなどの理由から、円板を切り離す手術が必要と判断される場合があります。現在では内視鏡による手術が主流であるものの、入院手術が必要です。
自宅でのセルフケアと受診の目安
顎関節症の症状を和らげるには、自宅でできるケアも効果的です。顔回りの筋肉をほぐしたり、温めて血流をよくする方法があります。顎関節症は自然に治る可能性もあるため、日常生活に支障をきたさない症状であれば様子を見るのも選択肢の1つです。しかし、違和感や痛みが続く場合は我慢せずに歯科や口腔外科を受診することが大切です。症状が気になる場合は、自己判断せずに医師に相談しましょう。
- Q.1 顎関節症の症状を抑えるには生活習慣のどのような点を改善すればよいですか?
- A.1 食事の際に、左右どちらかばかりで噛まないよう気をつけましょう。また、頬杖をついたりうつぶせ寝をしたりなど、姿勢が悪い場合は直しましょう。
- Q.2 歯並びの悪さは顎関節症に影響がありますか?
- A.2 歯並びが悪いと、片方の顎に負荷がかかりやすくなるなど、顎関節症を引き起こす原因の1つとなる可能性があります。
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