歯科コラム
Column歯周病には定期的なメンテナンスが必要
歯周病は、治療終了後も歯科医院での定期的なメンテナンスが必要です。なぜメンテナンスが必要なのでしょうか。本コラムでは、歯周病で定期メンテナンスを行う理由について解説しています。歯周病が全身に及ぼす悪影響についてもご説明しますので、ぜひ最後までお読みください。
歯周病は専門的なメンテナンスが大切
歯周病を引き起こす歯周病菌は、一度口の中に入ると完全に除去することはできません。そのため、治療後も定期的に歯科医院へ通院し、歯科医師によるメンテナンスを受けることが大切です。
歯周病菌などの微生物のかたまりをプラークといいます。プラークが膜のようになったものはバイオフィルムとも呼ばれ、唾液に含まれるカルシウムと反応することで歯石になります。歯石になると歯ブラシでは落とせなくなるため、歯科医院でのスケーリング(歯石除去)を受ける必要があります。
歯石になる前に落とせばいいと思われるかもしれません。しかし、プラークは磨き方の癖や歯並び、噛み合わせなどさまざまな理由で完全に除去することは困難です。そのため、毎日のブラッシングで大体の汚れを落とし、残った細かい部分の汚れを歯科医院でケアしてもらう必要があります。
当院では、患者さまにあった正しい歯磨きを指導しています。正しい歯磨きを身に着ければ汚れの除去率も上がり、より効果的な歯周病予防に繋がります。
歯を失うだけにとどまらないリスク
歯周病は進行すると歯の骨(歯槽骨)を溶かすため、放っておくと歯を失うリスクが高まります。さらに、歯周病は全身のさまざまな疾患と深く関わっていることがわかっています。歯周病の発症によって歯周病菌が血管から全身を巡り、以下のような疾患のリスクを高めてしまいます。
- ・動脈硬化
- ・狭心症
- ・心筋梗塞
- ・脳梗塞
- ・糖尿病の発症・悪化
- ・早産
- ・低出生体重児
- ・誤嚥性肺炎
歯周病菌が血管の内膜に定着すると動脈硬化の恐れがあり、狭心症・心筋梗塞・脳梗塞の発症リスクに繋がります。また血糖がうまくコントロールできなくなり、インスリンを効きにくくするため、糖尿病が発症・進行しやすくなるのです。妊娠中の女性の場合、早産や低出生体重児のリスクを高めてしまいます。また高齢者では、むせた際に歯周病菌が肺に入ることで誤嚥性肺炎の原因となることがわかっています。
このように、歯周病のリスクは歯を失うだけにとどまりません。全身の健康を損なわないためにも、歯周病は日々の歯磨きと歯科医院でのメンテナンスが大切です。再発予防や早期発見に繋がるよう、定期的にかかりつけの歯科医院や当院を受診しましょう。
- Q1:たまに歯ぐきが腫れ、しばらくすると治るのを繰り返しています
- A1:歯周病の可能性があります。歯ぐきが腫れるのは炎症があるためです。免疫力が下がったときに自覚症状が現れやすくなりますが、無自覚の状態でも炎症は続いているケースがあります。一度、かかりつけの歯科医院や当院での受診を検討してください。
- Q2:メンテナンスの頻度は3か月に一度と決まっていますか?
- A2:お口の中の状態によって異なります。メンテナンスの間隔は、基本的に3か月に1回が目安ですが、状態が悪ければ期間が短くなる場合もあります。
- 歯科コラム 記事一覧
-
- ホワイトニングの持続期間
- 虫歯が発生する原因
- 虫歯は予防できます
- 虫歯を放置していると…
- 虫歯が進行してしまったら根管治療が必要です
- ホームホワイトニングとオフィスホワイトニングの違い
- ホワイトニング歯磨き粉の効果は?
- ホワイトニングとクリーニングの違い
- オフィスホワイトニングで使うライトとは?
- インプラントの被せ物に使える素材について
- 予防歯科の重要性について知ろう
- PMTCって何をするの?
- ホワイトニングの安全性について
- ホワイトニングの注意点
- ホームホワイトニングのススメ
- ホームホワイトニングを始めるには
- 知覚過敏のメカニズム
- 虫歯治療と根管治療
- 虫歯治療の流れ
- 歯を失う最大の理由は歯周病です
- 全ての治療を総合的に見るメリットは
- 当院で行なっている無痛治療について
- 当院で行なっているレントゲン撮影について
- ホワイトニングの効果期間
- 痛みの少ない歯科治療について
- 歯周病の痛みについて
- 重度な虫歯には根管治療
- 根管治療の通院回数
- 定期健診の重要性
- 通院が難しい方には訪問診療があります
- 小児歯科で行なう予防治療について
- 歯科治療で使用するレントゲンについて
- 歯周病の内科治療について
- 歯科医院で行なうオフィスホワイトニングとは
- 予防歯科で年齢に応じたケアをしよう
- 予防歯科はいつから始めるべきか
- 予防歯科におけるセルフケアのポイント
- 予防歯科でできる口臭対策
- 予防歯科の効果を高める食事と生活習慣
- 被せ物や詰め物の材質に関して
- 全身の健康維持に重要な予防歯科
- PMTCの手順と効果
- ホワイトニングにリスクはあるの?
- ホワイトニングで起きるトラブルとは
- 歯医者を探すときに知っておきたいこと
- 歯科医師に聞く、虫歯や歯周病の原因と予防法
- 口腔外科で顎関節症の治療を受けるなら
- 親知らずを抜歯する前にチェックしておきたいこと
- お子様の歯科検診を受けるメリットと注意点
- 予防歯科の受け方について
- 小児歯科はリラックスして受けられることが大切です
- 小児矯正は成長期にあわせて始めましょう
- 歯が並ぶスペースを広げる床矯正について
- 審美歯科治療にできること
- 訪問歯科でできる治療とできない治療について
- 訪問歯科の流れと費用について
- 訪問歯科における感染予防対策について
- 訪問歯科の今後の展望と課題について
- 訪問歯科で使用する器具や材料について
- 歯周病が引き起こす全身の健康への影響
- 歯周病の初期症状とケアの方法
- 歯周病は老化や美容と関係性がある?
- 歯周病による歯の欠損を防ぐため
- 歯周病になりやすい人となりにくい人の違いとは?
- 入れ歯の適切なお手入れ方法と注意点
- 入れ歯に慣れるためのコツとトレーニング方法を紹介
- 入れ歯の費用と保険の適用について
- 無痛治療を受ける前に知っておきたいこと
- 無痛治療の安全性と副作用について
- 歯周病の発生原因について
- 喫煙と歯周病 歯周組織への悪影響とは
- 歯周病は見た目にも影響する?
- 歯周病には定期的なメンテナンスが必要
- 歯周病の治療方法について
- 入れ歯の寿命と交換時期のサイン
- ホワイトニングとは
- ホワイトニングの種類とそれぞれの特徴
- 歯周病治療の費用について
- 歯周病と心臓病の関係性とは
- 総合歯科医療とは
- 銀歯のリスクや白い歯にする審美的治療を解説
- 当院における予防歯科の特徴
- 審美治療をおすすめする理由