歯科コラム

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ホワイトニングにリスクはあるの?

ホワイトニングは、専用の薬剤を使って歯を白くするケアです。しかし、薬剤を直接歯に塗ることから、体に害はないのか安全性に疑問を持つ方も多いかもしれません。今回は、ホワイトニングの安全性について解説します。

ホワイトニングに使われる薬剤とは

歯科医院で行なうオフィスホワイトニングと自宅で行なうホームホワイトニングでは、それぞれ用いる薬剤が異なりますが、最終的な漂白のメカニズムは同じです。用法・用量を守り正しく施術を行なえば、安全性に問題はないと言えます。オフィスホワイトニングで使う薬剤の主成分は「過酸化水素」です。漂白効果が高いものの、刺激も強いため、一時的に知覚過敏を起こして痛みを感じることがあります。他方、ホームホワイトニングの薬剤には「過酸化尿素」が含まれています。過酸化尿素は、もともと歯肉炎や歯周病の治療を目的に研究されていた成分で、化学変化によって低濃度の過酸化水素になります。

より安全にホワイトニングを行なうために

オフィスホワイトニング用の薬剤は、過酸化水素の濃度が高く、歯ぐきや皮膚に付着すると炎症を起こすリスクがあります。そのため、施術は歯以外をしっかりと保護した上で行ないます。ホームホワイトニングの薬剤は刺激が弱めですが、早く歯を白くしたいからと装着時間を必要以上に長くしたり、薬剤を大量に使ったりすると、歯にダメージを受けるおそれがあります。専用のトレーからはみ出した薬剤はきちんと拭い、歯や口内の皮膚に付着しないよう注意が必要です。

ホワイトニングを避けたほうがよい場合とは

最後に、ホワイトニングを避けたほうがよいケースをご紹介します。

【歯周病や未治療の歯がある方】
虫歯がある、詰め物が取れたままになっている、歯周病の方などは、薬剤が歯や歯肉に影響して刺激や痛みを感じやすくなることがあります。歯や歯ぐきに問題がない時の施術をおすすめします。
【妊娠中・授乳中の方】
胎児や乳児に対する薬剤の影響ははっきりと示されておらず、安全と言い切ることは難しいです。万が一のリスクを考慮すると、妊娠期・授乳期の施術は避けたほうがよいでしょう。
【永久歯が生え揃っていないお子さま】
永久歯への生え変わりが終わっていない場合、ホワイトニングが歯の成長に影響する可能性があります。
【無カタラーゼ症の方】
大変珍しいケースですが、無カタラーゼ症という遺伝性疾患を持つ方は、過酸化水素を体内で分解できないためホワイトニングができません。
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