歯科コラム

近年は歯磨き粉やデンタルリンスなどのテレビCMでも、虫歯を予防する「予防歯科」の重要性がうたわれています。また、テレビ・雑誌・インターネットサイトなどのさまざまなメディアによって、虫歯菌は口内だけにとどまらず、いかに身体に悪影響を及ぼすかが知られるようになってきています。

普段のホームケアにも、虫歯予防や歯周病予防に効果が高いとされる高濃度のフッ素を配合した歯磨き粉やデンタルリンスなどを取り入れているという方も増えているのではないでしょうか。

確かに、毎日の歯磨き、デンタルフロス、デンタルリンスなどによるケアはもっとも重要な虫歯予防のひとつですが、どんなに力を入れても、完全に虫歯のリスクをなくせるわけではありません。

そのため、歯科医院で行なう歯の定期検診やクリーニングもしっかりと虫歯予防対策に取り入れていきましょう。とくに、歯科医院で行なう歯のクリーニングで効果が高いのは、「PMTC（プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング）」と呼ばれる洗浄方法です。専用の機械や薬剤を使うため、毎日のケアでは取り除くことが難しい歯の表面の汚れ、歯と歯の間の汚れ、歯と歯茎の間の汚れ、歯茎の中の歯石などを徹底的にきれいにできます。また、汚れと同時に、歯の着色汚れなども取り除くことができます。

そのほかの虫歯予防方法としては、矯正治療をして虫歯になるリスクが少ない歯並びに整える、規則正しい食生活と十分な睡眠時間の確保を心がけるなど、虫歯ができにくい口内環境に整える、といったアプローチもおすすめです。

また、歯の定期検診やクリーニングは、虫歯予防だけではなく、歯周病予防や歯周病の早期発見にも有効です。長年歯科医院に通っていないという方のなかには、自分では気がつかないうちに歯周病を進行させてしまっていることもあります。「とくに痛みがないから大丈夫」、「子どもの頃から虫歯がないから大丈夫」という気持ちがあるかもしれませんが、「健康な歯を守り続ける」ことを目的として、定期的な歯科医院への受診を検討してみてはいかがでしょうか？