歯科コラム

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入れ歯に慣れるためのコツとトレーニング方法を紹介

入れ歯を使い始めた頃は、食事や会話がしにくかったり、口の中に違和感を覚えるケースがあります。日常生活に支障が出るため、入れ歯の使用に不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本コラムでは、入れ歯に慣れるためのコツと発声・食事のトレーニング方法について解説します。入れ歯に慣れ、快適な生活を送るためにぜひご参考にしてください。

入れ歯の違和感に慣れるコツは?

入れ歯に慣れるコツは、多少の違和感や痛みがあっても使用を続けることです。ほとんどの場合、調整を繰り返しながら1〜2か月程経過すると、違和感が和らぎ、生活がしやすくなるでしょう。

入れ歯を使い始めたばかりの頃は違和感や痛みがありますが、使い続けることで徐々に改善していきます。そのため、まずは入れ歯の付け外しを繰り返し、少しずつ慣れるところから始めましょう。ただし、入れ歯に早く慣れようとして、無理矢理入れ歯を装着したり、痛みを我慢して使い続けると、歯や歯茎を痛める原因になるため注意しましょう。

入れ歯に慣れるための発声・食事のトレーニング方法

入れ歯を装着した際、発音に違和感が生じる場合は、装着したままの状態で発声トレーニングを行いましょう。ご自身の声を録音して聞きながら、発生の練習するのも良い方法です。特に、サ行やタ行は発音しにくい場合が多いため、入れ歯を装着した状態できれいに発音できるまで練習しておくと、スムーズに会話ができます。

装着時の食事に不安がある際は、柔らかいものや食べやすい大きさに切ったものから始めてください。柔らかいものを食べられるようになったら、徐々に硬いものや大きいものを食べ、入れ歯を装着した状態での食事に慣れていきましょう。

入れ歯で食べ物を噛む時は、左右の奥歯を均等に使って噛むのがポイントです。前歯の部分で噛むと入れ歯がずれたり、前歯の粘膜や顎の骨に負担がかかる恐れがあるので注意しましょう。

入れ歯は使い始めに違和感が生じたり、生活の不便さを感じることがありますが、トレーニングを重ねて慣れていくことで快適になるでしょう。しばらく経っても違和感や装着時の痛みが強い場合は、我慢をせずにかかりつけの歯科医師に相談してください。

入れ歯に慣れない原因

入れ歯に慣れない主な原因は、装着時の違和感や痛み、そして慣れない咀嚼感覚によるものです。

特に、装着初期は歯茎と入れ歯が擦れて痛みを感じたり、発音のしにくさを感じたりすることが多くあります。

口の中に入れ歯という異物が入ることで、舌の動きや口腔内の空間が変化し、これまでとは異なる感覚に体が慣れないためです。

また、入れ歯が合わないと、食事中に食べ物が挟まったり、噛む力が十分に伝わらなかったりして、うまく食べられないストレスを感じることも少なくありません。

さらに、入れ歯の素材や形状も慣れない原因となることがあります。

例えば、保険診療で多く用いられるプラスチック製の入れ歯は、厚みがあり、熱が伝わりにくいため、飲食物の温度を感じにくいというデメリットがあります。これにより、食事の満足度が低下し、慣れないと感じる方もいらっしゃるでしょう。

部分入れ歯の場合は、残っている歯と入れ歯が一体となって機能するまでに時間がかかるため、特に慣れないと感じやすいかもしれません。これらの要因が複合的に作用し、入れ歯に慣れることを難しくしているのです。

まとめ

入れ歯に慣れるためには、多少の違和感や痛みがあっても、まずは毎日装着を続けることが重要です。多くのケースで、調整を重ねることで1〜2ヶ月程度で違和感が軽減し、日常生活が送りやすくなります。

特に、発音の練習では「サ行」や「タ行」など、発音しにくい音を中心に、ご自身の声を録音しながら反復練習することが効果的です。

食事面では、いきなり硬いものを食べるのではなく、柔らかく、細かく切ったものから始め、徐々に硬さや大きさに慣らしていくのが良いでしょう。食事の際は、左右の奥歯を均等に使って噛むことを意識してください。

前歯で噛むと入れ歯がずれやすくなるだけでなく、歯茎や顎の骨に過度な負担がかかる可能性があります。これらのトレーニングは、入れ歯が口腔内の一部として機能するための、重要なステップと言えます。

もし、これらの工夫をしても違和感や痛みが改善しない場合は、一人で抱え込まずに、かかりつけの歯科医師に相談し、適切な調整やアドバイスを受けることが大切です。

Q1:入れ歯を使わずに過ごすとデメリットはありますか?
A1:ほかの歯に負担をかけたり、歯並びが変化して体のバランスが悪くなったりします。また、虫歯や歯周病になりやすくなるデメリットもあります。入れ歯が使いにくいと感じる場合は、歯科医師に相談して調整を行いましょう。
Q2:保険適用の入れ歯と自費の入れ歯の違いを教えてください。
A2:保険適用と自費の入れ歯では、使用する素材が異なります。例えば、保険適用の入れ歯はプラスチックで作られますが、自費の入れ歯はシリコンや金属などを使用できるため、快適性や審美性がアップします。
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