歯科コラム

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虫歯治療と根管治療

虫歯治療は虫歯になっている部分を削り、詰め物で塞いでいくことが基本的な治療です。しかし、重度の虫歯になると虫歯の原因菌が根管と呼ばれる歯の内部にまで入り込み、通常の虫歯治療では治らないため、根管治療が必要になります。根管には歯髄と呼ばれる栄養や水分を歯に供給する役割を担っている部分があり、この箇所には神経や血管が通っているので菌が入り込むと歯がズキズキと痛み出したり顔が腫れ始めたりします。

根管に菌が入ってしまったら虫歯が自然に治ることはありません。放置するとさらに内部にまで菌が入り込み歯や骨を溶かしてしまうため、虫歯の初期症状が出たときに歯科へ行くことが望ましいです。根管治療が必要になった場合は虫歯の進行度が非常に高く治療には多くの時間がかかり、通常の虫歯治療より治療回数が(通院回数が)増える傾向にあります。

根管治療には4つの治療法があり、「抜髄」・「感染根管治療」・「再根管治療」・「歯内療法外科」が挙げられます。「抜髄」は、菌が入り込んで歯髄炎になってしまった歯髄を除去して根管の掃除と殺菌を行なう、根管治療の基礎となる治療法です。歯髄炎が進行して歯髄が壊死し、歯根に膿ができている場合は「感染根管治療」が必要です。 壊死してしまった歯髄と汚れた歯根を掃除する作業を同時に行なう必要があり、汚れをしっかり落として膿の自然消滅を促していきます。

「再根管治療」は一度根管治療を行なった後に、再度炎症が起き症状が出ている場合に行なう治療です。根管治療を行なった際に、虫歯の進行度が高く除去するべき菌が多い場合は取り除けない場合も出てきます。細菌が完全に取り除けていないことが原因で菌がさらに繁殖すると、前回行なった詰め物なども外し、再び掃除と殺菌を行なうことが必要です。

これら3つの根管治療でも治らない場合は、「歯内療法外科」と呼ばれる外科手術を行なわないといけません。歯根の奥にまで進行してしまい、根管治療では除去しきれなかった菌や病巣を、歯肉を切開して取り除きます。この外科手術は患者様の身体に負担がかかるため、重度になる前に歯科医院で検診を受けることをおすすめします。

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