歯科コラム

みなさんは歯科クリニックで行なわれる「PMTC」が、何をするものかご存じでしょうか? 歯科クリニックに歯の治療をするために通院した際に、PMTCを勧められた方は多いかと思います。PMTCは一般的な歯のクリーニングとは少し違っており、「プロによる機械的歯面清掃」を指して呼ばれています。「P＝プロフェッショナル＝歯科医師・歯科衛生士」・「M＝メカニカル＝機械的」・「T＝トゥース＝歯」・「C＝クリーニング＝清掃」を略して、PMTCとなります。

具体的にPMTCではどのようなことをするのかといいますと、まずはプラークの除去と歯石除去を行ないます。歯石除去には機械や器具を使いますが7,000～10,000回転する電動歯ブラシのような機械を使って、歯面清掃を行ない、こびりついている汚れを落とします。歯面清掃することで、口の中で繁殖している細菌が作る「バイオフィルム」を取り除くことができます。歯面清掃にてバイオフィルムを剥がし、歯面をツルツルにしておくことで新たに汚れが付きにくくなるので、細菌の繁殖も防げます。

次は、歯の間をフロスや歯間ブラシを使って汚れを落とします。大人になると歯面より、歯と歯の間が虫歯になりやすくなっています。最後に、フッ素塗布を行ないます。歯科医院では、9,000ppmとなる高濃度のフッ素を塗ることが可能です。普段の歯磨きで研磨剤に低濃度のフッ素を取り入れて、定期的にPMTC受診時に高濃度のフッ素を取り入れることで、歯面の強化に繋がります。「穴は開いていないけれど、虫歯になりかけている部分」となる、白濁（はくだく）と呼ばれる箇所には、フッ素塗布を継続することで虫歯を進行させずに済むケースもあるため有効です。

このように、歯の健康を維持するために「PMTC」が有効であることがお分かり頂けたはずです。ただ、「PMTC」も1回のみで十分な効果を発揮するのではなく、継続して受診することで効果を発揮します。なので、歯科クリニックにて定期的な「PMTC」を受診することが、健康な歯を維持する重要なポイントになるのです。